別売りの服やアクセサリをアバターに着せると、体にめり込んだり浮いたりすることがあります。Blenderでの位置合わせは、改変で最も出番の多い作業です。この記事では、基本の流れとつまずきどころ、そして「ずれる」の原因の切り分け方をまとめます。
作業前の準備
まず、Unityプロジェクトのバックアップを取っておきましょう。Blenderでの作業はFBXの差し替えを伴い、失敗すると設定がまとめて外れることがあります。
次に、アバター本体と衣装を同じシーンに読み込みます。このとき、どちらもスケールや回転が「適用済み」かを意識してください。オブジェクトを選んで Ctrl+A から「全トランスフォーム」を適用しておくと、後の工程での位置ずれを防げます。この一手間を飛ばすと、後半で原因不明のずれに悩まされます。
大まかな位置合わせ
オブジェクトモードで衣装を選び、G(移動)・R(回転)・S(拡大縮小)で大まかに合わせます。X/Y/Zキーを続けて押すと軸を固定でき、たとえば G→Z で上下方向だけに動かせます。
数値入力も可能で、G→Z→0.02 のように細かく調整できます。マウスで微調整するより、数値で指定するほうが確実で戻しやすいので、細かい調整ほど数値入力が有効です。
部分的なめり込みの修正
全体は合っているのに一部だけめり込む場合は、編集モード(Tab)で該当の頂点を選び、プロポーショナル編集(Oキー)を有効にして少しずつ動かします。影響範囲はマウスホイールで調整できます。
コツは、大きく形を変えるより小さな修正を重ねることです。「体を少し痩せさせる」「衣装を少し膨らませる」といった小刻みな調整のほうが、シルエットが破綻しません。
なお、対応衣装であれば、素体を隠すシェイプキーが用意されていることが多くあります。Blenderで削る前に、そちらで解決しないか確認するほうが安全です。
「ずれる」の原因を切り分ける
静止状態で合っていても、動くとずれる場合はウェイト(ボーンへの追従設定)の問題です。位置合わせとウェイト調整は別の工程として切り分けて考えると、原因の特定が楽になります。
・止まっていてもめり込む → 位置合わせの問題。G/R/Sと編集モードで直す
・止まれば合うが動くとずれる → ウェイトの問題。ボーンへの追従設定を直す
この2つを混同したまま作業すると、直らない場所をいつまでも触り続けることになります。まずどちらの話かを判定しましょう。
つまずきやすいポイント
Unityに戻したらサイズが違う
FBX書き出し時のスケール設定が原因のことが多いです。トランスフォームの適用と書き出し設定を見直してください。
シェイプキーが消えた
書き出し設定によっては失われます。設定を確認するか、コミュニティで共有されている手順に沿うのが安全です。
マテリアルが外れた
Unity側で再設定が必要になることがあります。差し替え前に、どのマテリアルがどこに割り当てられていたかを控えておくと復旧が早くなります。
よくある質問
Q. 対応衣装でもBlenderは必要?
A. 多くの場合不要です。Modular Avatarなどのツールで完結します。Blenderが要るのは、非対応衣装や細かい形の調整をしたいときです。
Q. どのくらい動かしていい?
A. 衣装の利用規約によっては改変の範囲に制限があります。作業前に確認しておきましょう。
Q. 元に戻したい
A. Ctrl+Zで戻せますが、確実なのは作業前のバックアップです。大きな変更の前にプロジェクトをコピーしておきましょう。
Q. Blenderの操作自体が不安
A. 別記事「Blender入門 VRChat勢は何に使うのか」で、最初に覚える操作をまとめています。
引用記事Blender入門 VRChat勢は何に使うのか技術・制作
トランスフォームの適用を確認してから、G/R/Sで大まかに、プロポーショナル編集で細部を。この順番を守るだけで、位置合わせの失敗はぐっと減ります。
