もちふぃった~で衣装を別のアバターに移したあと、タイツや靴下、体にぴったりした服だけが浮いたり食い込んだりして残る。Blender で頂点をひとつずつ動かして直すのは骨が折れます。Cveld_Shell Fit Brush は、その「浮いた布を体に沿わせる」作業をブラシでなぞるだけにする Blender アドオンです。この記事では CGBox の紹介記事(2026年9月14日)と SuperHive の商品ページ・作者ページ(2026年9月17日確認)を元に、何ができるか、姉妹アドオンとの違い、もちふぃった~と組み合わせる手順を整理します。
編集部は本アドオンを独自に検証していません。機能・対応環境は作者(Color Variations of Eldorado、cvELD)の公開情報と紹介記事に基づきます。価格は確認日時点のもので、変動する可能性があります。
何ができるのか
Cveld_Shell Fit Brush は、衣装や布の形をブラシ操作で調整するフィッティング補助アドオンです。紹介記事では「浮いた布を体に近づけたり、リボンや装飾を動かしたり、荒れたエッジをその場で整えられる」と説明されています。服のめり込み修正、表面のなじませ、仕上げの微調整を手作業で細かく行いたいときに向いています。
搭載されているブラシは次のとおりです。
・Shell Fit — なぞった部分を体や内側の服に沿わせる本体のブラシ
・Smooth — 荒れた表面をならす
・Grab — 掴んで動かす。リボンや装飾の位置調整に
・Inflate — 膨らませる。沿わせすぎて薄くなった所を戻す
・Relax — 頂点の流れを整える
商品ページにはこのほか Quick Shell Fit が挙げられています。衣装の装飾やアクセサリの接触部分を選んで、対象の面・辺・頂点へ一気に沿わせる機能で、メッシュ間のウェイトのコピーにも対応するとされています。
補助オプションは3つです。
・Preserve Shape — リボンや厚みのある装飾の形を保ったまま位置を調整する
・Use Selection as Mask — 選択した頂点の範囲だけを局所的に編集する
・Space / Flatten / Smooth — 頂点の流れや凹凸を整える
対応環境と価格
・対応 Blender: 4.5〜5.2
・使えるモード: Edit / Weight Paint / Texture Paint / Vertex Paint
・価格: 9.99ドル(SuperHive、2026年9月17日確認)
・作者: Color Variations of Eldorado(cvELD)。作者ページは https://superhivemarket.com/creators/cveld
・導入: 解凍していない ZIP を Blender のウィンドウにドラッグするか、Preferences の Install from Disk から読み込み、cvELD ShellFitBrush を有効化する。他の cvELD アドオンは不要
Sculpt モードではなく Edit モードなどで使う点が特徴です。編集中のメッシュの頂点をそのまま動かすので、形状キーやモディファイアの構成を崩さずに仕上げ作業へ組み込めます。
姉妹アドオン cvELD_ShellFit との違い
同じ作者から、1週間ほど前に cvELD_ShellFit(ブラシではないほう)が出ています。こちらは素体と衣装の貫通を検出して押し戻し、Shape Key またはメッシュへ焼き込むアドオンです。薄い布向けの Shell、リングやベルトなど厚みのある物向けの Solid、自動判定の Auto の3モードがあり、体を内側へ動かす Body Moves と、衣装を体に沿わせる Cloth Moves を選べます。対応 Blender は 4.5.0〜5.3.0(5.2.1 推奨)、価格は BOOTH で1,500円、SuperHive ではセール中 9.99ドル(通常 15ドル)です(いずれも2026年9月17日確認)。
使い分けは単純です。
・衣装全体のめり込みを一括で処理したい → cvELD_ShellFit。パラメータを調整して結果を見ながら焼き込む
・部分ごとに手で整えたい、装飾の位置を動かしたい → Cveld_Shell Fit Brush。なぞった所だけ動く
両方あると「まず ShellFit で全体を押し戻し、残った浮きや食い込みを Brush で仕上げる」という流れが組めます。ただしどちらも単体で動作し、もう一方は必須ではありません。
もちふぃった~と組み合わせる
もちふぃった~(Nine Gates、2,500円)は、非対応衣装を別アバターに着せられるようリターゲットする Unity ツールです。変換プロファイルを使ってウェイトやブレンドシェイプを移すため、ゆったりした服はほぼそのまま使えます。一方で、タイツや靴下、体にぴったり沿う服は、変換後に体との隙間やめり込みが残りやすく、Blender での手直しが前提になりがちです。解説記事でも「複雑なギミックやアニメーションは失敗しやすい」「めり込みはシェイプキーなどで調整する」といった注意が書かれています。
ここが Shell Fit Brush の出番です。想定される流れは次のとおりです。
1. もちふぃった~で衣装を対象アバターへ変換する
2. 変換後の衣装と対象アバターの素体を Blender の同じシーンに読み込む
3. 衣装を選んで Edit モードに入り、Shell Fit ブラシで浮いている所・食い込んでいる所をなぞって体に沿わせる
4. Smooth や Relax で境目をならす。リボンなどの装飾は Preserve Shape をオンにして形を保つ
5. FBX で書き出し、Unity に戻して Modular Avatar などで着せ直し、動かして確認する
タイツのように体全体を覆う衣装は、脚の付け根・膝・足首など曲がる所で特に隙間が出ます。全体を ShellFit で一括処理してから、曲がる所だけ Brush で追い込むと作業量を抑えられます。
つまずきやすいポイント
ブラシが効かない
Sculpt モードでは使えません。Edit / Weight Paint / Texture Paint / Vertex Paint のいずれかに切り替えてください。
沿わせたい相手が違う
Shell Fit は「体」だけでなく「内側の服」にも沿わせられます。重ね着の場合は、どの面を対象にするかを確認してから始めます。
装飾がつぶれる
リボンやベルトを Shell Fit でなぞると厚みが失われることがあります。Preserve Shape をオンにするか、Grab で位置だけ動かします。
沿わせたら薄く見える
Inflate で少し戻すか、Smooth でならしてから再度 Shell Fit をかけます。
関係ない所まで動く
先に動かしたい頂点だけを選択し、Use Selection as Mask をオンにします。
Blender のバージョン
対応は 4.5〜5.2 です。それより古い Blender では動作しません。導入の基本は「Blender導入 インストールと最初に覚える操作」を参照してください。
引用記事Blender導入 インストールと最初に覚える操作技術・制作
よくある質問
Q. もちふぃった~を使っていなくても役に立つ?
A. はい。衣装の位置合わせや貫通修正は改変全般で発生します。基本操作は「服やアクセサリの位置合わせ Blender改変の基本操作」にまとめています。
引用記事服やアクセサリの位置合わせ Blender改変の基本操作技術・制作
Q. cvELD_ShellFit と両方買う必要がある?
A. 必須ではありません。一括処理が主なら ShellFit、手作業の仕上げが主なら Brush から始めれば十分です。
Q. Blender 初心者でも使える?
A. Edit モードでの選択とブラシ操作ができれば使い始められます。Blender 自体が初めての場合は「Blender学習ロードマップ VRChat改変は何から学ぶか」から進めるのが近道です。
引用記事Blender学習ロードマップ VRChat改変は何から学ぶか技術・制作
Q. Unity に戻したあとの着せ方は?
A. 「Modular Avatarで衣装を着せる 非破壊改変のすすめ」を参照してください。
引用記事Modular Avatarで衣装を着せる 非破壊改変のすすめアバター
「一括は ShellFit、仕上げは Brush、装飾は Preserve Shape」。この3点を押さえておけば、もちふぃった~で残ったタイツや靴下の手直しが、頂点をひとつずつ動かす作業から解放されます。
