体型の微調整、目の大きさ、服のパーツの出し入れ。アバターにはシェイプキー(BlendShape)で動かせる項目がたくさんありますが、それを VRChat のメニューから操作できるようにするには、本来アニメーション・アニメーター・Expression Menu・Parameters をひとそろい作る必要があります。BlendShape Gimmick Creator は、その面倒な部分を「メッシュとシェイプキーを選んでボタンを押す」だけで自動生成する無料の Unity エディタ拡張です。この記事では BOOTH の商品説明(2026年9月10日確認)をもとに、仕組み・手順・落とし穴を整理します。
編集部は本ツールを独自に検証していません。機能・対応環境は作者(はりねずみしろ、はりしろの部屋)の公開情報に基づきます。
何が生成されるのか
生成ボタンを押すと、アバター直下にギミック用のオブジェクトが作られ、必要なファイルが「Assets/BlendShapeGimmick/(アバター名)/」以下にまとめて出力されます。内訳は Animator(アニメーターコントローラー)、Animation(各シェイプキーの ON/OFF・スライダー用クリップ)、Icons(メニューアイコンPNG)、Menu(VRChat 用メニューファイル)の4種類です。
ポイントは、生成物が Modular Avatar 経由でアバターにマージされることです。アバター本体の FX レイヤーや Expression Parameters を直接編集しないため、他のギミックとの競合リスクが低く、不要になったらアバター直下の「BlendShapeGimmick」オブジェクトを削除するだけで元に戻ると案内されています。非破壊改変の考え方は「Modular Avatarで衣装を着せる 非破壊改変のすすめ」で扱っています。
引用記事Modular Avatarで衣装を着せる 非破壊改変のすすめアバター
スライダーと切り替えの使い分け
シェイプキーごとに「スライダー(0〜100% の無段階調整)」か「切り替え(ON/OFF)」を選べます。作者の案内では、体型や目の大きさのように細かく調整したい項目はスライダー、パーツの表示・非表示のように二択で足りる項目は切り替えが推奨です。
ここで効いてくるのが VRChat のパラメータ同期容量です。VRChat のアバターが同期できるパラメータは合計 256 bits までで、スライダーは1つにつき 8 bits、切り替えは 1 bit を消費すると案内されています。ツール内の情報パネルに使用量がリアルタイムで表示され、上限を超えると警告が出るため、アップロード前に気づけます。表情ギミックや衣装切り替えをすでに入れている人は、それらとの合計で判断してください。
導入から生成までの手順
1. 前提パッケージを導入する
- VRChat SDK3 - Avatars
- Modular Avatar(https://modular-avatar.nadena.dev)
2. .unitypackage をインポートする
(ドラッグ&ドロップ、または Assets → Import Package → Custom Package)
3. Tools → BlendShape Gimmick Creator を開く
4. ヒエラルキーからアバター(VRC Avatar Descriptor 付き)をドラッグ&ドロップ
5. シェイプキーが入っている SkinnedMeshRenderer(Body、髪、服など)を追加
6. 含めたいシェイプキーにチェックを入れ、スライダーか切り替えを選ぶ
7. 「ギミックを生成」を押す
Body・髪・服など複数の SkinnedMeshRenderer をまとめて1つのギミックにでき、メッシュごとにサブメニューが自動で分かれます。生成後にアップロードすれば VRChat のメニューに反映されます。アップロードの流れは「アバターアップロード手順 VCCからVRChatまで」を参照してください。
表情や他のギミックを壊さない設計
シェイプキーを扱うギミックで起きがちなのが、表情アニメーションと同じシェイプキーを取り合って表情が固まる問題です。作者の説明では、このツールは操作していないシェイプキーには何も書き込まないため、同じシェイプキーをメニューに含めても、触らない限り表情の動作を妨げないとされています。v1.0.1(2026年2月9日)でこの非干渉の挙動が改善されたと更新履歴にあります。
初期値の扱いも工夫されています。メッシュを追加した時点の BlendShape 値が初期値として読み込まれるので、すでに体型調整済みのアバターでも見た目が崩れず、VRChat 上でもその状態から始まります。初期値はエディタ上で個別に確認・編集できます。VRChat 内では「すべてリセット」ボタンがメニューに自動で組み込まれ、ワンタップで初期値に戻せます。
そのほかの機能
リアルタイムプレビュー: エディタ上でスライダーを動かすとシーンビューに反映されます。プレビューは初期値から始まり、動かしても初期値には影響しません。生成前に見た目を確認できるので、不要なシェイプキーを含めてしまう心配が減ります。
メニューアイコンの自動生成: 各シェイプキーを適用した状態のスクリーンショットを自動で撮り、メニューアイコンに設定します。不要なら OFF にできます。
既存ギミックの再編集: 一度生成したギミックを読み込み直して、シェイプキーの追加・削除・モード変更をして再生成できます。
落とし穴になりやすい点
同期容量の合算を忘れる: このツール単体では警告が出ても、後から別のギミックを足して 256 bits を超えると、アップロード時にエラーになります。スライダーを増やしすぎないことが最初の対策です。
Modular Avatar が前提: 生成物は Modular Avatar のコンポーネントを使うため、未導入だと動作しません。VRChat SDK3 - Avatars とあわせて先に入れてください。
対象は SkinnedMeshRenderer の BlendShape だけ: MeshRenderer や、シェイプキーを持たないパーツは対象外です。
Unity バージョン: VRChat 公式の推奨バージョン(VCC 経由で導入されるもの)が前提です。
価格と利用条件(2026年9月10日確認)
無料版が0円、支援版が300円で、支援版は無料版と内容が同じと明記されています。利用規約では、データの改変、個人による営利目的(動画・配信・VRChat 内イベント等)での利用、他ショップの商品画像(着用例)への使用が許可され、再配布・販売と自作発言は禁止です。ダウンロード商品のため返金・返品には対応しないとされています。
よくある質問
Q. アバター本体のアニメーターが壊れませんか。
A. Modular Avatar 経由でマージされるため、アバター本体のファイルは変更されないと案内されています。不要になれば生成されたオブジェクトを削除するだけです。
Q. ハンドジェスチャー表情や衣装切り替えと併用できますか。
A. 併用できます。ただし合計の同期容量が 256 bits を超えないように、情報パネルで確認しながら設定してください。
Q. 更新履歴はどうなっていますか。
A. 2026年2月7日に v1.0.0 公開、2月9日に v1.0.1(非干渉の改善、初期値の自動読み込み、リセット動作の変更)と v1.0.2(リセット時のバグ修正)が公開されています。
公式情報
BOOTH 商品ページ(はりしろの部屋、2026年9月10日確認):
https://booth.pm/ja/items/7958480
報道: CGWORLD「無料のUnityエディタ拡張『BlendShape Gimmick Creator』リリース」(2026年2月)
